名古屋大学 Nature論文撤回 その5

研究不正

こんにちは。はーどこあです。
次から次へと変な点が出てきて食傷気味ではありますが、名古屋大学の撤回論文を分析するシリーズの第5弾です。

繰り返しになりますが、名古屋大学の伊丹教授らの論文「リビング縮環π拡張重合によるグラフェンナノリボン合成」は、2019年6月に科学誌『Nature』に掲載されましたが、使用したデータに疑義があることのことで、2020年11月25日付で当該論文は取り下げられています。

今回はIRスペクトルにメスを入れます。論文中では合成したグラフェンナノリボンGNR 2のIRスぺクトルを測定しています。下図はNature 2019, 571, 387のFigure 1fです。緑線、黄色、赤線がGNR 2のIRスぺクトルで、色は重合度を示しています(13kDa 緑線, 32kDa 黄線, 150kDa 赤線)。

Figure 1f in Nature 2019, 571, 387

GNR2のスペクトルと睨めっこしていて気づきました。
緑線、黄色、赤線どれもスペクトルの形がそっくりです。パワーポイントで背景画像を削除して重ねてみると、ピッタリ重なります。分子量が増えるにつれて、よりブロードなピークへ変化してもよさそうなものですが、スペクトルの形状が変わらないというのはどういうことでしょうか。。。

IRスペクトル重ね合わせ